インディゴの気分
「じゃあ、こいつのブツをしゃぶれるか?」
ーーイカせられたら俺の遺作はくれてやる。
蒲生田の問いかけに、木島は訝しく眉をひそめた。
あまりの提案に悪趣味だと狼狽する城戸だったが、
木島の脳裏には、この仕事が絶対に欲しいと懇願してきた城戸が、
あのとき握られた手の熱さが、よぎった。
「やるよ。何てことないだろ、これくらい」
そう言うと、城戸のまだ柔らかなそれを口に含み、
いやらしく音を立てながら舌を這わせはじめる…。
かつて憧れた男が跪き、
淫らにその屹立を咥える光景は城戸の嗜虐心をひどく煽った。
そしてーーー…。
(本文より一部抜粋)
[ポルノグラファー]から遡ること数年。
凡人の憧れ×天才の孤独を描いた、
城戸と木島の“言えない”過去の物語。