両片恋のススメ
大人っぽくて理屈屋の孝輔(こうすけ)が
「俺と付き合えば?」とサラリと口説いたら、
チビの啓久(ひらく)は真っ赤になった。
それが中1の春。
ふたりの恋はもだもだと不器用に育まれた。
そして高2の夏。
いざお泊まり、という日に孝輔は異変に気づく。
かつて幼かった啓久が、
自分より厚くなりつつある筋肉をさらし、
熱っぽい視線を向けて
孝輔の口腔を舐め回したのだ。
———「覚悟はできた?」
そう、いつの間にか
啓久が捕食者に——逆転していたのである。