ばらの森にいた頃
食用ばら農家を営む吸血鬼の正宗(まさむね)は
人間の恋人・陽(ヨウ)と暮らしている。
数百年前に恋人を亡くした不死の吸血鬼・正宗は
長い時をずっと孤独に生きてきた。
猫や虫や、植物に生まれ変わる恋人を見つけ出しても
言葉は交わせぬまま、時は過ぎた。
そして、はじめて人間の姿で転生したのが陽だった。
年をとらない吸血鬼と、ただの人間。
2人は数百年ぶりの蜜月を楽しむが、正宗には秘密があって――。
表題作を含む計4本を収録。