うつくしい体
この体に墨を入れるのだと思うと――…高揚感が襲ってくる
駆け出しのタトゥーアーティスト・夕路の元に舞い込んだ一件の依頼。
それは、美術界の巨匠・泰泉の名画をミチルの体に彫るというもの。
泰泉が囲い育てた専属モデルのミチルは、顔、体、その存在自体がまるで芸術品のように美しかった。
美人ゆえの傲慢さを身に纏ったミチルだが、浮世離れした環境で育った彼は純真無垢で、少年のような愛らしい一面も持ち合わせていた。
ミチルの白く艶めかしい体に墨を入れる瞬間、夕路は自分の中で沸き起こる欲望の気配を感じた。
“外もナカも、彼に俺を刻み付けることができたら――…”